小麦アレルギーとは?
食物アレルギーを引き起こす食品の中でも3番目に多いとされる小麦は、乳幼児期に発症する可能性の高いアレルゲン(抗原)の一つです。また、大人になってから発症する可能性も高いのが特徴です。今回はその小麦アレルギーについて自然・アレルギー対応食品ヨーゼフの管理栄養士がご紹介します。
食物アレルギーを引き起こす食品の中でも3番目に多いとされる小麦は、乳幼児期に発症する可能性の高いアレルゲン(抗原)の一つです。また、大人になってから発症する可能性も高いのが特徴です。今回はその小麦アレルギーについて自然・アレルギー対応食品ヨーゼフの管理栄養士がご紹介します。
小麦は、和食・洋食・中華を問わず、あらゆるジャンルの食品に含まれています。パスタやうどん、ラーメンといった麺類、パンやピザ、クッキーやケーキといったお菓子など、小麦がメインの食品だけではなく、つなぎ程度で小麦を使っている食品も私たちの身の回りにあふれています。そんな小麦がなぜアレルギーの原因となるのでしょうか。
それは、小麦に含まれる「グルテン」というタンパク質が原因なのです。小麦粉を使った料理は、主食やおやつとして日常的に食べる機会が多いため、アレルギーの原因にもなりやすいのです。
アレルギーの原因となる物質は「タンパク質」です。
ご存じのようにタンパク質は身体を構成する重要な栄養素の1つであり、乳幼児にも欠かせないものです。では、なぜタンパク質が食物アレルギーの原因となってしまうのでしょうか。
新生児のタンパク質分解酵素は、成人の6割くらいしかなく、生後1年で成人に近づきます。ですから1歳未満児は、消化酵素が十分でなく、未熟な酵素では摂取したタンパク質が上手く消化しきれません。未消化のタンパク質が吸収されると異質なアレルゲンとして認識され、その結果アレルギーが引き起こされます。
大人の腸では、食事中のタンパク質はアミノ酸にまで完全に分解されてから吸収されるため、簡単にはアレルギーにはなりません。乳幼児の腸は未発達であり、アミノ酸より大きいタンパク質が通る位の穴があいているので、未消化のタンパク質がそのまま血液の中に入ってしまいやすく、食物が原因のアレルギーになりやすいのです。そのため、乳幼児の食物アレルギーは腸管が発達する3歳頃までに起こりやすいです。
アレルギー症状を起こしやすいとされる食品のタンパク質は一般的に分子量が1万~10万と大きく、比較的加熱や酵素処理に安定しています。更に摂取する量が多い食品はアレルゲンになりやすいです。
小麦アレルギーは様々な症状を引き起こします。具体的には蕁麻疹やかゆみ、紅斑といった皮膚症状、下痢や腹痛といった胃腸症状、くしゃみや鼻水、眼のかゆみといった耳鼻科的症状、喘息や呼吸困難といった呼吸器症状などが挙げられます。
また、小麦アレルギーは食べただけでは何も起こらないのに、食べた後に汗をかくような運動をすると発症する食物依存性運動誘発アナフィラキシーの要因になりやすいのも特徴です。
関連コラム:食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)とは?
アレルギー症状が重い場合には、血圧低下や意識障害などのショック状態を伴うアナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあります。
小麦アレルギーは0歳で発症するアレルギーとして多いものになりますが、年齢とともに発症する患者数は減少していきます。しかし、20歳以上の新規発症のアレルゲンの中では小麦が一番多くなります。
実際に、自然・アレルギー対応食品ヨーゼフでは、「大人になってから小麦アレルギーになった」「パンや麺を食べたあとに体調が悪くなる」といったお声をよく聞きます。
乳幼児期に発症するのと成人で発症するのとでは、耐性を獲得できる可能性が全く異なってきます。乳幼児期に発症した場合は、その原因の多くが未発達な消化吸収機能のためであり、成長に従って消化吸収機能が発達し、それに伴って耐性を獲得できていきます。しかし、成人の場合、乳幼児期と違い消化吸収機能はすでに備わっていることから別に原因がある可能性があり、そのため耐性獲得が難しいとされています。
小麦は遅延型アレルギーのアレルゲンになりやすいものの一つです。アレルギーには即時型と遅延型があります。即時型は原因となる食物を摂取して通常30分以内にはっきりとした症状の発現が起こる分かりやすいアレルギーです。それに対して遅延型とは、食物を摂取後、数時間から数日後に症状が発現し、その症状自体も即時型とは違い頭痛やめまい、うつなどの精神症状、肩こり、慢性疲労など一見アレルギーとは関係ないようなものであるため、気付かれにくいアレルギーです。
なんとなく毎日調子が悪いといった慢性的な不調がある場合、この遅延型アレルギーが原因である可能性もあります。
自然・アレルギー対応食品ヨーゼフに併設している医療法人社団マリヤ・クリニックでは、この遅延型アレルギー検査を海外の検査機関に依頼し行っております。
また、マリヤ・クリニックにて治療中でヨーゼフにいらっしゃったご家族は、「小麦アレルギーがある子どもと一緒に家族全員でグルテンフリーの食生活をしたら、お父さんの20年来の喘息と咳症状が治り、お母さんの腸炎が改善された」というお話をしてくださいました。
小麦アレルギーを発症する原因の一つとして、腸壁の荒れや消化酵素の不足があるなど、消化・吸収能力の低下があります。乳幼児に発症しても成長に伴い小麦アレルギーが改善していくのは、小麦そのものよりも消化吸収機能に原因があるためです。そのため、腸内環境を改善することでアレルギー症状が和らぐことがあります。
アレルギーの治療法として極少量ずつ摂取して慣らしていく減感作療法というものがありますが、同時に胃腸機能の改善をすることで克服できることがあるようです。
小麦アレルギーの人が小麦を除去すると、皮膚や腸などの炎症が治まるため、栄養状態が良くなっていきます。個人差はありますが小麦の除去をそのまま続けると、アレルゲンは半年~1年程度で症状が出なくなるレベルまで減ることがあります。
とはいえ、小麦を含む食品を除去しつづけることがストレスになることもあるので、美味しい自分好みの小麦の代替食品を利用することが現実的な方法です。
近年グルテンフリーが話題となっていることもあり、小麦の代替食品は増えてきました。特に米粉を使用した食品は多くの種類が発売されるようになったため、小麦アレルギーだからと我慢することも少なくなってきています。代表的な食品は以下の通りです。
<パン・お菓子類>
米粉パン・米粉ケーキやクッキー・タピオカ澱粉等を用いたお菓子
<麺類>
十割そば・フォー・ビーフン・米粉を使用し加工した麺類・雑穀麺(あわ麺・きび麺・ひえ麺など)
<調味料など>
米粉や豆粉他、小麦以外の澱粉を使用したルウ・小麦不使用の醤油やソースなど
自然食品のお店ヨーゼフに関心を持って頂き、どうもありがとうございます。2004年にヨーゼフを設立してから、栄養医学を進めているマリヤ・クリニックと一緒に歩んできました。マリヤ・クリニックで栄養医学での治療、当社で健康食品の販売と一緒に事業を進めてきた中で、なぜアレルギー対応食品・自然食品を販売する運びになったのか、スタッフのエピソードも交えて、お話しさせて頂こうと思います。
食べるものが制限されてしまう食物アレルギー。その中でも多くの食品に含まれ、より制限を受けてしまいがちなのが小麦アレルギーです。特に大人になってから発症してしまうと、小麦製品のおいしさを知っているからこそ余計につらいですよね。
しかし、代替品も徐々に増え始め、小麦製品に劣らないおいしさを実現した商品も増えてきたのでうまく活用することで小麦フリーに対するストレスをあまり抱えずに過ごせるようになってきました。
ヨーゼフでは、今回ご紹介した商品以外にも、管理栄養士が厳選した小麦の代替食品を多く取り揃えております。興味のある方は、ぜひお試しください。