花々が咲き始め、春の息吹を覚える季節ですね。身体も、活性化を始めていますが、その為には多くのエネルギーが必要です。春にうつになる人がおりますが、それはエネルギーの活性に必要な亜鉛やビタミンB群の不足が一因とも言われています。亜鉛は、牡蠣、豚肉、牛肉、魚介類、ナッツ、チーズに多く含まれ、ビタミンB群は、豚肉、魚介類、卵、納豆、乳製品に多く含まれます。
多くの人が食べやすいのが、ハムやソーセージでしょうが、含まれる発色剤の亜硝酸ナトリウムに発がん性があるので、私たちは生肉を買って調理します。最近、大腸がんを患う人が多いのですが、「毎日加工肉を50g以上食べた場合、50g毎に罹患率が18%ずつ上昇する」という報告もあります。 私が気になっているのは、多くの人が病気になるまで健康に気を付けず、身体を酷使し、不健康な食生活を送ることです。若い人でさえも、子供時代の不摂生から健康を害するようになっています。
日本人は50年ほど前までは、脂の多い食べ物はあまり食べていませんでした。最近、胆嚢や膵臓に支障がでる人が多いのは、胆汁や膵液を分泌して分解する脂肪分の摂り過ぎが原因かなと考えています。普通は脂肪分を摂り過ぎると下痢や腹痛が起こりますが、それを気にしないで食べ続ける人がいることにも驚いています。
高齢者では、肉や魚を食べなくなっている人は、残念ながら栄養状態はかなり悪くなっていて、一度病気になると回復が遅れ、足腰が悪くなることもあります。タンパク質というものは、充分に摂っていないとタンパク質からできている消化酵素が不足して、肉類や魚を摂れなくなってしまうのです。脂質も避ける人が多くなりますが、体力や免疫力の維持、ボケ防止に必要で、オリーブ油、EPA、DHAなどは摂らなければなりません。
いろいろと困難が起こることが危ぶまれる時代ですから、自分の健康づくりには十分気を付け、お金や時をかけてください。それを節約すると却って大金をかけることになりますよ。
事務長 柏崎久雄
高齢者だけでなく、若い人も子供も赤ちゃんも、何か体調が悪い時にすぐに薬を飲みたがるのは日本人の特徴でしょう。薬とは、もともと自然界にある多くの植物や、一部の動物や鉱物などを起源としたものでした。さまざまな病気や痛み、傷などの治療に役立つものを、自然界から経験的に見つけ出し、用いたのが始まりです。現在、薬は、以下のものに分類できます。
古代の文明地(中国、ギリシャ等)において「くすり」とは植物(薬用植物)あるいは動物・鉱物から取り出されたものを指し、これを日本・中国等では「生薬」と称しました。
生薬は、自然の恵みを最大限に活用し、人間が本来持つ自然治癒力を高めることを目的として、古くから親しまれている薬です。また、生薬は天然物であることから、含有されている薬効成分は一定ではなく、同じ植物であっても、産地や栽培方法、あるいは作柄によっても成分が変わる場合も多いようです。自然由来であっても、医薬品として作用があるため、副作用の可能性はあります。
A) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)によって医薬品として扱われるもの。製剤化されたものは生薬製剤。
B) 食品として扱われるもの。健康食品。
日本の薬機法では、生薬も医薬品として扱っており、ヨーロッパでもドイツなどでは医薬品です。一方、アメリカ合衆国では『薬局方』に生薬が収載されているにもかかわらず、生薬から精製した有効成分は医薬品として認めるものの、その原料である生薬自体は医薬品として認めていません。そのため、生薬を指して未精製薬 (Crude Drug) と呼び表したり、民間伝承で用いられる場合などでは「薬用ハーブ (herbal medicine)」と呼び表すことも多くあります。
〔生薬の加工〕
① 不要な部分の除去
全草を用いる生薬は稀で、大多数の植物生薬では、人参は根、粳米は実というように薬効成分の多い一部のみが使われます。不純物を可能な限り減らし、厳密な計量に耐えるようにしないと、生薬に含まれる薬効成分の量が推測できず、結果として、処方という行為自体が意味を成さないことになります。
② 長期保存
薬草の組織に水分が含まれていると、重量や容積が大きく、品質が安定せず、また腐敗やカビが発生しやすく、遠隔地に出荷することはできません。
③ 成分を変化させる
生薬によっては、成分そのものが、収穫したままでの使用に耐えないこともあります。附子(ぶし、トリカブトの根)など猛毒のものは、弱毒処理を行わなければ危険です。巴豆(ハズ)の種子は大量の油脂を含むため、そのまま投与すると激しい下痢を起こすので、極限まで油を絞ったかすを用いなければなりません。また、地黄(じおう)のように、生のものと加工されたものに、別々の薬効を期待する生薬も存在します。
④ 抽出しやすくする
貝殻や化石、鉱物などは、そのほとんどが固く、溶けにくいため、何らかの加工を行い、溶媒(水とは限らない)に溶けやすく、人体に吸収しやすくする必要があります。細かく砕いたり、加熱して組織を壊したり、薬品に漬け込むことが行われています。
代表的な生薬の例。
・ 葛根(かっこん): クズの根。葛根湯に配合。
・ 甘草(かんぞう): ウマノアシガタ科の根。多くの漢方薬に含まれる。
・ 生姜(ショウキョウ): ショウガの根茎。吐き気止めや健胃。
・ 陳皮(チンピ): ウンシュウミカンの果皮。胃腸の調子を整える。
・ 当帰(トウキ): セリ科の根。血の巡りを良くする。
・ センブリ: 日本固有の民間生薬。苦味健胃。
〔医薬品として利用される主な生薬(植物)〕
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植物名、生薬名 |
成分名 |
薬理作用 |
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抗不整脈、血圧降下 |
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副交感神経遮断 |
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健胃、整腸 |
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中枢興奮、利尿 |
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d-カンファー |
局所刺激、強心 |
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局所麻酔 |
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鎮痛、鎮咳 |
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抗痛風 |
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ジゴキシン、ジギトキシン |
強心、整脈 |
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交感神経興奮 |
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子宮収縮、止血 |
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麦角菌 |
鎮痛、血管収縮 |
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回虫駆除 |
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アンミ実 |
冠動脈拡張 |
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l-メントール |
消炎 |
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抗コリンエステラーゼ |
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副交感神経興奮 |
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抗不整脈 |
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キナノキ |
抗マラリア |
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回虫駆除 |
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G-ストロファンチン |
強心、整脈 |
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殺菌(外用) |
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骨格筋弛緩 |
伝統中国医学が中国・日本など東アジア各地で漢方医学・中国医学として発展するまでに、有効成分の抽出や、薬剤の調合(調剤)が行われるようになりました。漢方薬とは、漢方医学の考え方にもとづき、基本的には2種類以上の生薬を定められた量で組み合わせた薬のことです。
合成薬(西洋医学の治療薬)の多くは、単一成分であり、ひとつの症状に対して1剤を投与します。このため、効果は強力であるものの、いくつもの病気が重なって症状が複雑になると薬の種類も多くなりがちです。一方、漢方薬は複数の生薬が組み合わされた薬剤であり、多成分であることが特長です。このため、複数の症状に対して1剤で対応できるケースもあります。
〔西洋医学と漢方医学の違い〕(大野修嗣医師、㈱ツムラ「Kampo Frontier」)
西洋医学では病態を病名で捉えるのに対し、漢方医学では病態を証で捉え、治療方法を診断します。西洋医学では病態を身体と精神を明確に区別するのに対し、漢方医学では身体と精神を表裏一体で捉えます。漢方医学では、主訴だけでなく、全身状態を考慮して治療方法を選択します。
例えば、便秘という症状に対して、西洋医学では排便を促す抗便秘薬を処方しますが、漢方医学では便秘以外の身体的状態及び精神的状態を考慮します。西洋医学では異なった病名でも、漢方医学では同じ処方をすることがあります。また、同じ病名でも、漢方医学では異なる治療法をとる場合もあります。
19世紀ころから西洋を中心に有機合成による化学薬品の合成が実用化され、西洋医学で一般的に用いられるようになりました。
医薬品には、薬としての効果をもたらすと共に副作用という好ましくない反応が起こる場合があります。これは、上記の生薬や漢方薬でもありますが、薬害というこれまでにない害がもたらされることもありました。
① キノホルム(傷薬、整腸薬)→ スモン病
② サリドマイド(睡眠薬、胃腸薬)→ サリドマイド
③ 血液製剤にHIV(ヒト免疫不全ウイルス)が含まれていた 、その他
薬効性は、十分に安全性を検査されて製造を承認されることになっていますが、その費用の増大によって医薬品の値段が上がり、また安全確認の手間がある程度省けるジェネリック薬品の利用が勧められています。
英語の"supplement"(補足・追加)に由来し、通常の食事で不足する栄養素を補う「食品」です。日本の法律上はすべて「食品」に分類されます。機能性表示の有無により、「特定保健用食品(トクホ)」、「栄養機能食品」、「機能性表示食品」、および「その他健康食品」に分けられます。
〔分子整合栄養医学〕
私たちの身体は遺伝子という設計図によって形成されます。遺伝子は身体の形成に必要な栄養素を用いて身体を形づくっていきます。この形成過程で、必要な栄養素が不足していると生命維持に必須なものの形成が優先され、健康かつ健全な身体が形成されない場合があります。成長過程における栄養欠損や何らかの障害は、その人の身体の健康度に大きく影響を与えます。
ところが、その人の遺伝子にはその人本来の健康な設計図が描かれており、十分な栄養素を供給すれば、その健康を回復してくるのです。それは、病気や障害からの回復も含みます。この遺伝子を損なうものが、病原菌・ウイルスや活性酸素、或いは有害物質や肥満などです。
遺伝子は、傷ついた遺伝子を修復する働きもあり、また修復不能なものはアポトーシス(自然死)する機能もあり、健康を回復していくのです。上記のような生薬・漢方薬・医薬品で治すのは、実際には、この遺伝子による修復を助けているだけなのです。
手術をして治ると思っていますが、実際にその患部を修復していくのは、この遺伝子情報に基づいた修復力なのです。手術の前後に、その修復に必要な栄養素が不足していれば、十分な回復は見込めません。手術した後、筋肉が減ってしまうのは、修復に必要なタンパク質を補給するために、生命維持から離れた筋肉を分解して用いるからです。
タンパク質以外にも身体を構成する多くの栄養素があります。タンパク質、脂質、炭水化物の3大栄養素だけで構成されているわけではありません。カルシウム、マグネシウム、亜鉛、カリウムだけがミネラルではありません。ビタミンAやBやCだけがビタミンではありません。地域によっては、それらのビタミンやミネラルが不足することによって風土病になったことがありました。でも、今では、精製された安易で美味な食物によって、必要な栄養素の補充ができなくなっています。がん、心臓疾患、糖尿病、その他の多くの病気は近年多くなっています。昔は栄養不足や感染症による死因が多かったでしょうが、現代は違う意味での栄養不足や原因で陥る病気が多くなっているように思われます。
その人に不足している栄養素を血液検査で確認し、その人が罹っている病気や身体的弱点を改善していくのが栄養医学です。定期的な検査をして、自分の弱点を理解することが健康づくりの原点です。栄養医学といっても、単に薬をサプリメントに替えただけと捉えるのは間違いです。やはり、身体全体を捉えた医療が大事です。
柏崎 久雄
・株式会社ヨーゼフ 代表取締役社長
・マリヤ・クリニック 事務長
・千葉福音キリスト教会 牧師
妻(マリヤ・クリニック院長)が低血糖症なのをきっかけに、分子整合栄養医学を勉強し、2004年にサプリメント会社を設立