一年で最も忙しい12月ですが、インフルエンザやマイコプラズマ肺炎が流行っていて、その注意も必要です。忙しくしなければならないことがたくさんあり、無理をして身体を壊すということがあり、更に家族が感染症などに罹ると途方に暮れるということもあります。
私たち夫婦も5人の子育てで、そのような時が多くありました。5人とも保育園にお世話になり、土曜には布団を持ち帰り乾燥させるのですが、雨でも降ると大変でした。オムツも保育園では布オムツなので、預けるときに交換しなければならなく苦労しました。13年間のうち、3人預けたのは5年くらいあったでしょうか、車で送迎を続けましたが、子供たちは元気に通っていました。父母会長は10年以上やり、小学校のPTA会長2年、中学校PTA会長3年、小学校の時は突然役員の方が押しかけてきて会長を承諾するまで帰らないと脅され、中学校の時は校長や地域の方々から頼まれて、どうにかこなしました。仕事も忙しい時で、夫婦共に疲れ果てていました。
そんなわけで子育て中の方々の助けになればと病児保育ノアを運営しております。最近は預ける方も減ってきて、申し込んでも自宅で看られるとキャンセルする割合が増えてきました。子供にとっては良いことですが、施設運営としては預かる子供が減ると経営は厳しくなります。稲毛区で唯一の病児保育なので運営する意義はあるでしょう。
さて、最近気にかかっているのが理想主義です。理想を持つことはすばらしいのですが、理想を求めすぎて現実に悲観したり、家族に注文したりするようです。老後の安逸をそのような理想の確保に求めて悲観する方も多く、不満がお互いの関係を損なってしまっています。心配が心身にストレスとなってしまうこともあります。
10人目の孫が生まれました。息子や娘が丁寧に優しく子育てしていることに感心しています。夫婦で振り返ると、忙しくてそれほど丁寧に子育てした自信はありません。だからこそ、個性的で生活力のある人に育ったのかな、と言い訳をしながら、子どもたちの家族を見守っています。子育ての時期はあっという間に過ぎ、妻のシワとシミを申し訳なく思う日々です。
事務長 柏崎久雄
人間の身体には2つの副腎があり、それぞれ左右の腎臓の上部に位置しています。これらは内分泌腺であり、血液中にホルモンを分泌します。
副腎は血圧、血糖、水分・塩分量などの体内環境を常にちょうど良い一定の状態に保つためのホルモンをつくっています。これらのホルモンは生命の維持に不可欠ですが、多すぎても少なすぎてもいけません。
副腎皮質は、コルチゾールとアルドステロンと呼ばれるホルモンを産生します。
コルチゾールは生きていくのに絶対必要なホルモンです。ストレスから身体を守り、糖利用の調節、血圧を正常に保つなど必要不可欠な働きをします。もし副腎の病気が両方にあり両側の副腎を摘出しないといけなかった場合は、合成されたコルチゾールの役割をする薬を内服してホルモンを補充する必要があります。片方の副腎だけの摘出でよかった場合は、残りの副腎だけで十分な量のコルチゾールとアルドステロンを作ることができます。
アルドステロンは塩分、カリウム、水分のバランスを保つのに重要な役割をします。アルドステロンの役割をする薬もありますが、こちらは必ずしも内服する必要はありません。
また副腎皮質からは性ホルモンになる前のホルモンを少量産生します。これは閉経後の女性のエストロゲンのもとになるホルモンで、閉経後乳癌の方の治療と関係するホルモンです。非常にまれですが、副腎に性ホルモンを産生する腫瘍が発生することがあります。
副腎皮質はまた、少量の男性ステロイドホルモン(テストステロンとその類似ホルモン)も作ります。
副腎髄質はアドレナリンとノルアドレナリンというホルモンを産生します。これらのホルモンは、心臓や血管をはじめ全身の機能が正常に働くのにいろいろ重要な役割を持っていますが、なかでも非常時に血圧を上昇させたり、心臓から血液を送り出す力を強めたり、エネルギー源としてブドウ糖を血中に増加させたりする重要な働きをします。しかし副腎以外の他の部位でもノルアドレナリンを産生しますので、両側の副腎を病気で摘出しなければいけなかった場合でもアドレナリンやノルアドレナリンの欠乏症状はおこりません。
副腎は喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、慢性関節リウマチなどアレルギー症状を抑える為、抗炎症ホルモンであるコルチゾールを分泌しながら炎症を抑える働きをします。
副腎は同時に血糖を上昇するためのコルチゾールを分泌するため、アレルギーがあると、全体のコルチゾールが足りなくなり、血糖調節が十分に発揮出来なくなります。
その為、アレルギーのある方は副腎が疲れやすく、血糖のコントロールが悪くなるため低血糖症が重症になりやすく、その逆に、低血糖症が重症になるとアレルギーも発生しやすくなります。コルチゾールの不足により、関節炎、皮膚炎などの炎症症状が発生しやすくなります。インスリンは成分として亜鉛を含む為、インスリンが過剰に分泌されますと、亜鉛不足に陥りやすく、鼻炎や皮膚炎、前立腺肥大症を起こしやすいです。
自律神経は、胃液の分泌、胃腸のぜんどう運動、インスリンや副腎髄質ホルモンといったホルモンの分泌など様々な身体の働きに関与しています。貧血は、自律神経の働きを低下させます。
副腎髄質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、総称してカテコーラミン) は、下垂体から分泌されるACTH (副腎皮質刺激ホルモン) にも多少影響されますが、主に視床下部より刺激を受けた内臓神経(交感神経) が副腎髄質を刺激して分泌されます。
低血糖に陥った場合、低血糖という緊急時に視床下部は積極的に対応していますが、自律神経失調症では、アドレナリンやノルアドレナリンの分泌がスムーズにゆかなくなることがあります。分泌されたホルモンの作用起点となる受容体の調節機転もうまく働かないことがあります。インスリンは副交感神経によって分泌を促進されますので、副交感神経が強い状態ではインスリン過剰分泌も起こさないとも限りません。
通常、カテコーラミンは、日の出の頃(朝、4~5時頃)分泌が始まり、8時頃に最高になり、午後3時頃に分泌が少なくなります(日内変動と言う)。アドレナリンと同じく副腎から分泌される副腎皮質ホルモンのコルチゾールも少し遅れて、ほぼ同じような日内変動をしています。午前中はコルチゾールやアドレナリンが分泌されているため、たとえ低血糖がおきても低血糖症の症状は表面に出にくいのですが、午後の時間帯、特に3時以降は副腎からのホルモン分泌が低下するため、低血糖による症状が如実に現れます。午後の4時頃、震えや落ち込み、だるさといった症状を訴える人が多いのはこのためです。ですから低血糖症の人は、午後には夕食までの間に2回の軽食を摂る必要があります。
カテコーラミンが分泌される時期は血糖値が下がりきったときではなく、降下をしているときです。その分泌の量は、血糖の降下の激しさの程度に応じて多くなります。ですから、急激に糖分を吸収したことに対応して過剰なインスリンがでると、過剰なカテコーラミンが分泌されるのです。ここで大切なのは、低血糖症の食事療法で勧めている間食は、摂取するタイミングが重要であるということです。低血糖症状(空腹感や身体のだるさ、震えなど)が起こってから、食事をとっても、アドレナリン分泌は防御できません。
カテコーラミンは、身体と心の異常事態に対処するために追加して分泌されます。たとえば、低血糖、精神的ストレス、アレルギー、ショック、不眠や風邪を引いたときなどの身体的不調、発熱、寒冷のときなどに分泌されます。
末梢(頭蓋骨、脊髄に囲まれた領域以外の身体の領域)では、血液中に分泌されたアドレナリンは交感神経のリセプターに作用し、交感神経の働きを刺激します。
中枢(頭蓋骨、脊椎に囲まれた脳の領域)では、自律神経(交感神経)刺激症状、情動の興奮を起こします。なぜなら、カテコーラミンを分泌する神経細胞は、脳幹部と大脳辺縁系に多く存在し、自律神経と情動に大きくかかわる症状に関与するからです。もちろん、これらの神経細胞は神経線維により、大脳の他の領域と密接な関係を保ち、その影響と調節を受けています。副腎からカテコーラミンが分泌されると、これらの神経細胞から分泌される神経伝達物質が分泌された時と同じように作用し、精神と感情に対し、次のような影響を与えます。
攻撃的行動、うつ的衝動、性格の異常化、感情の抑制ができない、判断の統合ができない、引きこもり、自律神経失調症、完璧主義になる、健康の認識基準が低い、自責の念が強い、過度に目的志向型になる、幻聴幻覚の症状、不眠と悪夢、「キレて」止まらない症状、ストレスへの対応、感情表現の欠如
ノルアドレナリンやアドレナリンは、自律神経の交感神経の神経伝達物質であり、低血糖症では以下のような交感神経刺激症状がおこります。
手足の冷え、呼吸が浅い、眼の奥が痛む、動悸がする、頻脈、狭心痛、手足の筋肉の痙攣、失神発作、月経前緊張症、手指の震え、締め付けられる頭痛や偏頭痛、発汗、顔面蒼白、体重減少、胸痛、便秘、立ちくらみ、意識障害、痙攣、目前暗黒感、日光がまぶしい、甘い物が無性に食べたい、胃腸が弱い、口臭、ため息、生あくび、異常な疲労感、起床時の疲れ、日中特に昼食後の眠たさ、集中力の欠如、めまい、ふらつき、物忘れがひどい、眼のかすみなど
アドレナリンは心拍数や心拍出量の増加、血糖の上昇、代謝の亢進に働き、ノルアドレナリンは主として血管収縮作用に関与して働きます。アドレナリンとノルアドレナリンの分泌亢進によって、精神症状と身体症状いずれもが生じますが、まったく精神症状を起こさない人もいれば、精神症状が強く現れるなどその出方は様々です。
副腎や先月お伝えした膵臓などの病気が多くなっています。副腎の症状については、当クリニックがとり組んできた低血糖症との関わりがあって、詳細に述べています。更に詳細に理解したい方は、「新 低血糖症と精神疾患治療の手引」(柏崎良子著 ㈱ヨーゼフ)をご覧ください。
副腎の病気には内科的治療の対象となる病気(アジソン病、副腎皮質ホルモン合成酵素欠損症など)と外科的治療の対象となる病気(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫など)があります。
副腎はからだの奥深くにあるので、手術で腫瘍を摘出しないと確実に診断する方法がないというのが現状です。針を刺して組織の一部を採る生検という方法もありますが、近くに針が間違って刺さるといけない臓器や血管があるので、腫瘍がある程度大きくないと安全な検査はできません。また、一部の組織だけでは顕微鏡による診断が難しいということもあり、針を刺して生検する場合は、手術が何らかの理由でできない場合に限られているのが現状です。
柏崎 久雄
・株式会社ヨーゼフ 代表取締役社長
・マリヤ・クリニック 事務長
・千葉福音キリスト教会 牧師
妻(マリヤ・クリニック院長)が低血糖症なのをきっかけに、分子整合栄養医学を勉強し、2004年にサプリメント会社を設立